Chapter 9
第九章 星の声
美月が福島に発ってから十日が経った放課後、翔太の元に見知らぬ番号からの電話がかかってくる。相手は美月の祖父・研哉だった。病室から電話をかけてきた研哉は、率直な口調で翔太に問いかける。美月から聞いた占星術の星図について、好ましくないとしつつも、翔太が天文に真摯に向き合っていることを見届けたいと言う。研哉は翔太に、次の流星群までに福島へ来るよう告げる。古い望遠鏡を美月と一緒に見せる相手がいるなら、それを認めるという内容だった。電話を切った後、晴人が天文台に現れ、翔太は福島行きを伝える。晴人は静かに同行を申し出る。
美月が福島に向かってから十日が過ぎた。
放課後の天文台は静かだった。翔太は机に広げた星図の上に鉛筆を走らせ、星座の名前を一つずつ覚えていた。アンドロメダ、ペルセウス、カシオペア。美月がくれた星図の隅には、まだ彼女の丸い文字で「あと十八日」と書かれている。その数字を見るたびに、胸の奥が緩むような、締まるような、名前のつかない感覚があった。
スマホが震えた。美月からのメッセージかと思ったが、画面には見知らぬ番号が表示されていた。翔太は一瞬ためらってから、電話に出た。
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