Chapter 11
第十一章 小さな斥候
水曜日の放課後、天文台で星図を復習していた翔太の元に見知らぬ番号から電話がかかってくる。相手は美月の妹・里奈だった。里奈は研哉が退院して自宅に戻ったこと、美月が毎晩古い望遠鏡を磨いていることを翔太に伝える。さらに里奈は、美月が翔太の名前を頻繁に口にしていることを明かし、翔太は動揺する。通話の最後里奈は、自分も土曜日に会うつもりだと告げる。電話の後、晴人が現れ翔太は研哉の退院を伝える。
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水曜日の放課後、天文台には翔太一人だった。窓際の机に星図を広げ、美月が書き込んだ星座の線を指で辿る。あと三日で福島に立つ。その事実だけで、空気の密度が変わるようだった。
ペンを置いて伸びをした時、スマホが震えた。画面には見知らぬ番号。翔太は少し迷ってから、通話ボタンを押した。
「もしもし」
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