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遊べる物語

君と奏でる星降る夜

綺麗な夜空には星々まで祝福するーー

最初の場面は登録なしで無料で遊べます。

これまでのあらすじ

…「ああ。直るか分からないけど、やってみる価値はある」 二人は倉庫に行き、工具箱を探し出した。戻ってくると、もう外は真っ暗だった。美月が懐中電灯を照らしながら、翔太に指示を出す。翔太はネジを回し、レンズを拭き、微調整を繰り返した。 「もっと左のネジを…そう、そこ。少し緩めてから締め直して」 美月の声が真剣で、翔太は無意識に息を詰めた。工具の感触が手に伝わる。金属の冷たさと、彼女の温かい声。三十分ほど格闘した後、カチッと音がして、望遠鏡が固定された。 「直った!」 美月が歓声を上げる。その拍子に、翔太の手が彼女の手に触れた。二人は同時に驚いて、顔を見合わせた。 「あ…ごめん」 「ううん、ありがとう。本当に助かった」 美月は顔を赤らめて、望遠鏡を空に向けた。翔太も、心臓の鼓動が速くなるのを感じた。彼女の指が、まだ自分の手の甲に触れていたような感覚が残っている。 「じゃあ…明日の夜、星降る丘で。一緒に見てくれない?」 翔太は一瞬、言葉を失った。美月の真剣な眼差しが、胸に響く。 「いいよ。俺でよければ」 「約束だよ!」 彼女の笑顔は、今まで見たどんな星よりも眩しかった。翔太は、その笑顔を守りたいと、初めて思った。 その時、美月がふと空を見上げた。 「曇り空になってきたね…明日、晴れるといいな」 翔太も窓の外を見る。東の空に、厚い雲が広がり始めている。 「大丈夫だ。俺が晴れ男だから」 「本当?」 美月が笑う。その笑い声が、暗い天文台に響いた。翔太は工具箱を閉めながら、明日の夜が待ち遠しいと思った。ポケットの中で、ネジが一つ余っていることに気づかないまま。

翌日の放課後、翔太は胸の高鳴りを抑えきれず、急ぎ足で校舎を抜けた。空は昨日の不安を裏切るように澄み渡り、雲一つなく、夕焼けが西の空に広がっている。「これなら大丈夫だな…」と小さくつぶやきながら、指定された『星降る丘』へ向かう。

丘へ続く小道は細長く、両脇には背の高い草が揺れていた。翔太のポケットには、昨夜余っていた小さなネジが入ったままだ。その存在がどことなく気になって指先でなぞる。「これ、あとで返さなきゃな…」

丘の上には、すでに美月が待っていた。彼女は、昨夜よりも少し落ち着いた雰囲気で、手には温かい飲み物の入った水筒を持っている。背後には、修理を終えたばかりの望遠鏡が静かに立っていた。

「翔太くん、早いね!」

「ちょっと、楽しみで…」

言ってから照れ笑いを浮かべると、美月も同じように微笑んだ。二人は並んで草の上に腰掛け、背中越しに残照が丘を染めていく。

しばらく他愛ない話を続けた後、美月が言った。「…あのね、昨日はありがとう。本当に助かったよ。あのままだったら、今日ここで見られなかったもん」

「いや、役に立ててよかった。…あ、そうだ」

翔太はポケットからネジを取り出した。「これ、余ってた。もしかして必要だった?」

美月は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑い、「ひとつくらいなくても大丈夫だよ」と肩をすくめた。

ふと丘の上に静寂が訪れる。遠くで虫の声が響き始め、空にはひとつ、またひとつと星が現れる。美月がそっと立ち上がり、望遠鏡の位置を調整する。

「もうそろそろ、見えると思う」

そっと翔太を手招きし、二人で望遠鏡を覗いた。闇に浮かぶ星たちが、まるで手を伸ばせば届きそうなほど近くに舞っている。

「…本当に、きれいだ」

「でしょ?」

美月の横顔が柔らかく光っている。翔太は、昨日のような鼓動をまた感じた。彼女とこんなに近くで、同じ空を見上げている。それだけで、胸の奥が温かくなる。

「…流れ星、見えるかな」

「多分、もうすぐ」

美月の指先が翔太の手の甲にそっと触れた。彼女の視線が、ちらりと自分の目を探すように動く。翔太は思わず息を呑んだ。

丘の上に、初夏の夜風が優しく吹き抜ける。

その時、空に一筋の光が走った——鮮やかな流星。

美月が驚きと喜びに満ちた声でささやく。「お願い、叶うかな…」

翔太は次の言葉を飲み込み、美月の手をそっと握るべきか、それともそのまま視線を合わせるべきか、迷いを抱いたまま、時が止まったように感じた。

どうする?

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